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タイトル ジャンヌ・ダルク
原題 JOAN OF ARC
公開年 1999
監督 リュック・ベッソン
出演者 ミラ・ジョボビッチ
ジョン・マルコピッチ
フェイ・ダナウェイ
ダスティン・ホフマン
内容  15世紀のフランス。英仏百年戦争のさなか、17才の小作農の娘ジャンヌは、神の声を受けたと主張して、シノン城の王太子シャルルと接見する。イギリス軍の攻撃で劣勢にあったフランスは、現状を打破するため、兵士を神の使者として信じて疑わないジャンヌに軍隊を預ける。
 ジャンヌは、英軍占領地オルレアンへの攻撃に作戦もなく無謀な突撃を敢行するが、それが兵士の志気を高め、勝利を勝ち取ってしまう。
おすすめ度 ☆☆★★★
 前半のリアルな戦闘シーンと後半の異様に繰り返されるもう一人の自分との禅問答のようなシーンをセットにした「エヴァンゲリオン」のような映画。
 ベッソンがジャンヌ・ダルクを英雄的で心の澄みきった女性ではなく、子供の頃にトラウマを背負った狂信的で世間知らずな農民の女性として描こうとしているのはわかるが、この映画では、彼のジャンヌ像にあまりにも魅力が感じられない。
 男尊女卑の強い中世で、短気で狂信的、馬にも乗れず剣も扱えず、無策で仲間の命も考えないような女性が、この映画ではどういうわけか王や仲間からも信頼され、英国軍も撃退してしまうのは説得力に欠ける。ジャンヌの暗い面だけでなく、ジャンヌの魅力的な部分やどうして歴史の舞台に登場できたのかをもっと描くべきではなかったかと思う。
 戦闘シーンは非常にリアルで迫力があるが、敵と味方の視点がごちゃごちゃしていて、わかりにくい。そのうえ、ジャンヌの仲間たちの描き方が浅いため、重要な役割の割に存在感が薄い。
 ジャンヌ役ミラ・ジョヴォビッチは演技的には今一歩だが、アクションではよく頑張っていた。シャルル役ジョン・マルコピッチは優柔不断な王を演じ、演技に新境地を見せた。ジャンヌの良心としての存在を演じたオビワン・ケノービのような出で立ちのダスティン・ホフマンは、演技は良かったが、なぜ良心が彼の姿なのか判然としない。
 ラストの異端裁判シーンは、「娼婦ベロニカ」のキャサリン・マコーマックが素晴らしかっただけに、見劣りがした。
 総評として、ベッソン監督らしい映像の美しさはあるが、歴史の人物を扱った作品としてはあまりに大雑把で、ラストの感動に結びつけるだけの主人公像を作り出すことが出来なかった。