cover
タイトル ほんとうのジャクリーヌ・デュプレ
原題 HILARY and JACKIE
公開年 1999
監督 アナンド・タッカー
出演者 エミリー・ワトソン
レイチェル・グリフィス
ジェイムズ・フレイン
デビッド・モリシー
内容  遊ぶのも寝るのもいつも一緒だった仲良しの幼い姉妹ヒラリーとジャクリーヌ。しかし、音楽を始めてから、いつしか二人は心の中でライバル心を抱くようになる。そして、それは大人になってヒラリーが普通の主婦に、ジャクリーヌが天才的な音楽家になってからも、二人の不安定な関係が続いていた。
おすすめ度 ☆☆☆☆★
 姉妹愛を描いた映画。
 姉妹の複雑な関係が見事に描かれている。ジャクリーヌ役エミリー・ワトソンの鬼気迫る楽器の演奏シーンもすごい。
 ただ、時間の経過がわかりづらく、何歳の時のエビソードなのかわからないのはちょっと不親切。ジャクリーヌが死んでから、42才とわかって、そんなに年とってたのかと思ってしまった。
 演出面では、姉と妹の両方の立場で同じシーンを描くというのは面白かったが、姉妹の感情面の掘り下げが弱いので、あまり効果を発揮していない。
 また、ジャクリーヌの両親の冷たさが目立つ。ステージママの割に、ジャクリーヌを海外に一人で行かせるのにマネージャーもつけてあげない点とか、大事な一人娘の割には家族が同行してあげない点とか、腑に落ちない。ジャクリーヌが実家に送った洗濯物を洗って彼女のもとに送り返す時でも、手紙の一つでも入れておくのではないかと思うが、それもない。
 そして、ジャクリーヌが病気になってからも、全身不自由なのに両親が引き取って面倒を見てあげる様子がみられない。
 事実に即した映画だとすると、ジャクリーヌの家族はかなり冷たい家族である。しかし、それが映画の中ではさらりと流され、姉と妹の関係ばかりをクローズアップしている気がする。本当は姉とジャクリーヌの関係より両親との関係を描く方が重要ではないか。それが描けていれば、ジャクリーヌが極度に姉に依存する理由もわかり、もっと彼女に感情移入できたと思う。
 総評として、この映画で本当のジャクリーヌ・デュプレの気持ちは描けていない。ただし、主演のエミリー・ワトソンとレイチェル・グリフィスの演技は素晴らしかった。