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タイトル ストレイト・ストーリー
原題 THE STRAIGHT STORY
公開年 1999
監督 デイビィッド・リンチ
出演者 リチャード・ファーンズワース
シシー・スペイセク
内容  アメリカ・アイオワ州に住む73歳の老人アルヴィン・ストレイトは娘ローズと二人暮らし。ある日、転倒して足を痛め、杖なしでは歩けない体となってしまう。そんな時、アルヴィンの兄ライルが心臓発作で倒れたと電話で聞き、10年間絶縁していたが、意を決し、トラクターに乗って単身兄の住む町ウィスコンシン州のマウント・ザイオンを目指す。
おすすめ度 ☆☆☆☆★
 近代化の進む田園風景を舞台にした老人のせつない旅物語。
 車に何台も追い越されながらも老人がトラクターで頑固に公道を走る姿は、動きの早い社会の中で、老いを感じながらも俺はまだ負けないぞと必死にもがいている老人の生き様を見ているような気がした。
 人生の中で老いは必ずやってくるが、老いを認めるのは難しい。しかし、アルヴィンが医者から病の告知を受け、自分の老いと真っ向から直面した時、初めてどんな対立も死んでしまえば何も残らないことを知り、喧嘩別れしていた兄と和解しようと思い立ったのだと思う。
 ラストで長い間絶縁してきたアルヴィンがトラクターで遠路からやってきたことを知った時の兄の表情を見た時にはもう涙もの。会話がなくても、気持ちが十分伝わり、長く綴られてきた映像の数々が一気にこの場へ集結した感じがした。
 役者的にはアルヴィン役のリチャード・ファーンズワースもよかったが、ローズ役のシシー・スペイセクが本当に父親のことを思っていることが伝わってくるような優しい演技が素晴らしかった。
 最初はコメディ映画かと思ってみたが、実際はとてつもなくせつない老人の心根を描いたドラマである。道中、アルヴィンは親切な人々から何度も助けてもらい、アルヴィンを害する人間は現れない。しかし、それが逆に誰かに助けてもらわなければ、先へは進めないと言うつらさを煽る結果となり、悲しくなった。