cover
タイトル 姉のいた夏、いない夏
原題 THE INVISIBLE CIRCUS
公開年 2000 アメリカ
監督 アダム・ブルックス
出演者 キャメロン・ディアス
クリストファー・エクルストン
ジョーダナ・ブリュースター
ブライス・ダナー
パトリック・バーギン
内容  1976年、高校を卒業したばかりのフィービーはサンフランシスコで母と二人で暮らしていた。フィービーには自分の中で解決しておきたい一つの問題があった。それは7年前の夏、恋人のウルフと一緒にヨーロッパへ旅立ち、1年後にポルトガルの漁村の崖下で遺体で発見された姉フェイスの自殺の真相。フィービーが幼い時に”見えないサーカス”の芸人達を連れてきてパーティーを開いていた明るい姉が自殺するとは考えられない。
 フィービーは母の反対を押し切って、姉が死ぬ前に送ってきた絵はがきを頼りに姉の足跡をたどるヨーロッパに旅に出発した。
おすすめ度 ☆☆☆★★
 姉を理想化して、信奉することによって現実の自分から逃げていた妹が、姉が自殺するまでの道のりを姉の恋人と旅をしながら、次々と自分の知らない真実を姉の恋人から聞かされることによって、現実の自分に向き合えるようになるまでの映画。
 尊敬した父が白血病になり、助けることだけを生きがいとして看病してきた姉の、努力の甲斐なく父を失った時のショックというのはそれなりに理解出来る。人生の目標を失ってしまうと、自分の生きてる意味がわからなくなり、何でもいいから、自分の存在意義を見いだせる目標を見つけようと必死になる。
 そういう意味で、特に政治理念があるわけでもなかった姉が、父の言葉を拠り所に偶然テレビで観た政治運動のニュースに影響されて、政治活動に参加したとしても、それほど不自然ではない。
 そして、姉は不器用で根性がなく、世間知らずであったため、結局、遊び半分でしか政治活動が出来ず、その割にプライドだけは高くて結果ばかり追い求めてるため、うまくいかないという部分はなかなかよく描けている。
 ただ、爆弾事件で結果的に人を殺してしまった時、責任を感じて、結局自殺に走るというのはここまでの姉の行動らしくない。人に責任を感じる人間なら、暴力政治集団に参加することはないし、もしここで自殺するなら、父が死んだ時に自殺すると思う。
 面白い描写としては、姉のことを一番理解していると思っている妹が姉の訪れた場所へ行っても、全然姉の存在を実感出来ず、姉の恋人にたしなめられるところはなかなかリアリティがあってよかった。
 後、気になった点としては男と女の関係になった妹と姉の恋人が、最後は何の後腐れもなく別れてしまうというのは、あっさりしすぎていると思う。
 また、序盤で妹のナレーションが多すぎるのは、これから映画の世界に入っていく観客の立場からすると、興味がやや削がれてしまう。