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タイトル 魔王
原題 THE ORGE
公開年 1996 フランス・ドイツ・イギリス
監督 フォルカー・シュレンドルフ
出演者 ジョン・マルコヴィッチ
アーミン・ミューラー・スタール
ゴットフリート・ヨーン
マリアンヌ・ゼーゲブレヒト
内容  1940年代のパリ。自動車修理工のアベルは人付き合いが苦手で、子供の写真を撮ることをささやかな趣味としていたが、知り合った美少女にはめられ、強姦罪で逮捕されてしまう。時が戦時下であったため、アベルは刑務所ではなく、戦争の前線に送られるが、ドイツ軍の捕虜となってしまい、そこで雑用係として森林監督官に仕えるようになる。
おすすめ度 ☆☆☆☆☆
 幼少の頃の経験から自分は運命に守られていると信じ込み、ドイツ軍の捕虜になっても、運命に流されるまま、ドイツの士官に忠誠を尽くし、兵士にするため、村から少年をさらってくる仕事でも転職だと思ってやっていた男が、ドイツ軍の敗退でいざ自分の愛する子供たちが戦争の前線に送り込まれるのを知り、ついに運命に逆らって、子供たちを助けようとするまでの顛末が非常に丁寧に描かれている。
 特に中盤まではナチス・ドイツの収容所関係の映画とは思えない長閑な描き方であったため、終盤で一転して緊迫感のある展開となると、今まで築いてきた伏線が一気に結びつき、思わず主人公に勇気ある行動に心を奪われた。
 アベル役のジョン・マルコヴィッチは過去の映画の中でも最高の部類の演技。大きな特徴のあるキャラクターではないのに、映画全体を通じての心の成長過程を見事に演じきっている。
 総評としてはナチス・ドイツ映画のパターンはもう出尽くしたかと思ったが、まだこういう描き方もあるんだと感心させられた秀作。