cover
タイトル 息子の部屋
原題 THE SON'S ROOM
公開年 2001 イタリア
監督 ナンニ・モレッティ
出演者 ナンニ・モレッティ
ラウラ・モランテ
ジャスミン・トリンカ
ジュゼッペ・サンフェリーチェ
内容  イタリアの小さな港町で精神分析医を開業するジョバンニは妻パオラ、娘イレーネ、息子アンドレアと平凡ではあるが、暖かい家庭を築いていた。そんなある日曜日、海へ友人と潜りに行くというアンドレアに一緒にジョギングへ行こうと強引に誘うジョバンニ。しかし、患者から急な電話で遠くに住む患者の家へ行くことになってしまう。そして、患者の話を聞いた後、すぐに自宅に戻ったジョバンニだったが、そこで海で溺れてアンドレアが死んだという報告を受け、ショックを受ける。
おすすめ度 ☆☆☆☆★
 突然の事故で息子を失った家族が悲しみの底から少しずつ立ち直ってゆくまでの映画。
 いつも明るく賑やかで信頼に結ばれた家庭が、家族の一人の死によって、家族が互いに後悔と悲しみから、離ればなれになっていく過程をドラマチックな演出なく淡々と描いていて、ずしりと悲壮感を受ける。最後は必ずしも立ち直るわけではないが、微かな光明が見えるような終わり方にしたのはなかなか素晴らしい。
 しかし、お互いを思いやり、しっかりと結ばれた家族だから、家族の一人の存在が消えることの重大さに重みがあるわけで、果たして今の日本では、どれぐらいこの映画の家族のような結びつきのある家族が存在するかなと考えてしまう。
 役者としてはナンニ・モレッティ演じるジョバンニの娘役ジャスミン・トリンカが新人ながら、息子の死の悲しみに暮れながらも、一方で残された自分のことを気遣う両親の対応に悩む微妙な心情をうまく表現していた。
 精神分析の診療のシーンは「青い夢の女」と同じように患者をソファーに寝かせて、好きなことを話させる手法で、このあたりはヨーロッパ共通なのかなと思ってしまう。