タイトル ダークネス
原題 DARKNESS
公開年 2002 スペイン
監督 ジャウマ・バラゲロ
出演者 アンナ・パキン
レナ・オリン
イアン・グレン
ジャンカルロ・ジャンニーニ
内容  レジーナたち家族は神経症になった父マークの療養のため、父の故郷でもあり、祖父のアルベルトが医師として働いているスペインの郊外にある家に引っ越してきた。しかし、引っ越したその日から突然電気が消え、レジーナの弟ポールも夜を恐がるようになった。
おすすめ度 ☆★★★★
 新しい家に引っ越してきた家族に襲いかかる恐怖を描いた映画。
 構成や演出が悪いところもいいところもひっくるめて「セッション9」に非常によく似ている。引っ越してきた家族を何かが襲い、家族を蝕んでいく映画というと、「シャイニング」「ポルターガイスト」「家」「セブンD」などたくさんあるが、系統としては違う印象。
 映画終盤、父マークを助けようとする家族愛を利用してレジーナや母メアリーにマークの喉を引き裂かせて殺させようとする緊迫感のある演出だけは非常に優れているが、評価できるのはそこだけ。
 ラストでアンナ・パキン演じるレジーナと弟ポールが闇に閉ざされた家から窓を割って明るい外へ脱出するが、偽者だと気づかず、かけつけたレジーナの恋人カルロスの車に乗ってしまうのだが、ここが実に不自然。闇の悪魔は家の中でレジーナから電灯の光を奪おうとしているぐらいなのに、明るい外でまやかしの恋人を見せるような力を発揮できるのかという点。仮に明るい外そのものがレジーナたちに見えたまやかしだとするなら、その時点でレジーナはもう電灯の照明をつけていなかったので、車に乗ったレジーナたちが車でトンネルに入るのを待つまでもなく闇に閉ざされ映画は終了ではないのか。
 また、ポールが謎のアザを作っているのに母メアリーが終盤までほとんど無関心なのも変だが、数々の情報を得てポールの身が危ないという結論に達しながら、調査にかかりきりで強引にでもポールをどこかへ連れ出そうと言うことを考えないレジーナの姿勢もどうかと思う。
 それから、建築家が地下鉄通路を歩いていると、建築家を追いつめるように地下鉄通路の照明が次々と消えていくのだが、これがどういう理由で起こるものなのかの説明がない。少なくとも儀式が行われる前の段階で家以外の場所で闇の悪魔が力を使えるとしたら、この映画は根幹から設定が崩れてしまうと思う。
 それと、皆既日食の日に儀式の対象者を愛する者が対象者の喉を切り開いて殺すことで儀式が完成するという設定なのだが、終盤、祖父の企みにしては計画の進行に偶然性が強すぎるし、理解できない部分も多い。
 例えば、ポールは操られている状態でもないのになぜ儀式の下準備として自分が書いた死んだ子供の絵を円形に並べたのか?また、ポールを守るためにメアリーがマークを殺すとしても、喉をかき切って殺すかどうかなど、どうやって予想できるのか。
 それと、殺すという定義も不鮮明で、レジーナは呼吸のできなくなった父を助けようと思って父の喉を切るのだが、これは殺すのに当たるのかという点。殺そうという意思が伴わないでいいのだったら、わざわざこんなまどろこっしい方法を取らなくても、マークを殺させる方法はいくらでもあったのではないか?
 他にも納得のいかない部分があるが、いずれにしても終盤に行けば行くほど恐さよりも納得のいかない部分ばかりが積み重なっていく展開は、まさに「セッション9」と同じ。二番煎じの分、評価を下げた。