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タイトル ドッグヴィル
原題 DOGVILLE
公開年 2003 デンマーク
監督 ラース・フォン・トリアー
出演者 ニコール・キッドマン
ポール・ベタニー
クロエ・セヴィニー
ローレン・バコール
ジェームズ・カーン
パトリシア・クラークソン
内容  ロッキー山脈の麓の孤立した村「ドッグヴィル」。23人しかいないこの村にある夜、一発の銃声が轟いた。村人のトムは暗闇の中、助けを求める一人の美しい女性グレースを廃校に匿い、追ってきたギャングをやり過ごす。トムは、彼女が村に住むための理解を村人から得るため、2週間の無償労働をグレースに提案する。グレースは提案を呑み、村人たちのための肉体労働を始める。そして、次第に村人とも打ち解けるようになっていくのだが……
おすすめ度 ☆☆☆☆☆
 人間のエゴを描いた大人の童話。
 テレビゲーム「バイオハザード」のマップ画面のようなマップ上で登場人物がストーリーを繰り広げるところは舞台劇をゲーム化したような感じで、従来では見られなかった斬新な映像表現。
 基本的には、ギャングに追われていて居場所がないという弱みをいいことに奴隷のようにこき使い、レイプまでした村人たちに対する女性の復讐劇だが、この映画で興味深いのは主人公のグレースは自分で権利を行使しようとすれば出来るのに、あえて自分の存在を村人の判断に委ねている点にある。つまり、最初は村人の善意に期待して、身を任せたわけであるが、それが次第に悪意にかわり、善意が存在しなくなった時、初めて自分がギャングのボスの娘という立場を利用し、権利を行使して、村を崩壊させる。
 彼女の復讐は、ギャングの悪意ある世界に嫌気がさして逃げ出したが、普通の村も結局ギャングの世界と同じであったという諦めの境地とも言える。しかし、彼女の復讐も結局、ギャングに襲われる村人の不安を考えず、自分本位に村人の善意にすがったという点では村人のエゴと同じである。
 ただ、同じエゴでも意図的、つまり最後に村を破壊する切り札を持っていることを隠している点で、被害者であるはずのグレースが悪に見えてしまうところが、この映画の監督の意図するところなのではないかと思う。