マイ・ファーザー 死の天使
タイトル マイ・ファーザー
原題 MY FATHER
公開年 2004 ドイツ
監督 エジディオ・エローニコ
出演者 チャールトン・ヘストン
トーマス・クレッチマン
F・マーレ・エイブラハム
内容  1985年6月、ブラジル、マナウスの郊外の墓地で白骨遺体が見つかった。その遺体はアウシュヴィッツ収容所で数々の人体実験を行い、“死の天使”と恐れられ、戦後30年に渡り逃亡生活を続けたヨゼフ・メンゲレであった。メンゲレの人体実験からの奇跡の生還者の双子からドイツへの損害賠償請求の依頼を受けたアメリカ人弁護士ポール・ミンスキーは、メンゲレの息子ヘルマンが父の死を偽装しているのではないかと疑い、この遺体が本人であるかどうかを確認するためにヘルマンに8年前に父に会った時のことを話させる。
おすすめ度 ☆☆☆★★
 ナチ戦犯者を父に持つ息子の苦悩を描いた人間ドラマ。実話をベースにしている。
 父の犯した戦争犯罪を逃走した父の代わりに責められ続けてきた息子は、久しぶりに再会した父から罪を認め、謝罪の言葉を聞きたかったのに、罪を認めないどころか、未だに自分は上の命令にしたがっだけと言い張り、自分のしてきた研究を正当性を主張し、秘かに研究を続けている。さらに戦争犯罪人という報道とまわりの住民からは慕われているという目の前の現実とのギャップ。父を目の前にしながら、自分は何も父にすることのできないジレンマが主人公を苦悩と葛藤に導いていくところはよく描けている。
 戦争被害者にとっては戦争犯罪者は投獄されるなり、死んでほしいという気持ちであろうが、ヨゼフ・メンゲレのように逃走しながらも悠々自適な生活を送っている者を見ると、全ての悪人が罰せられるわけではないと言う現実の残酷さが伝わってきて複雑な気持ちにさせられる。