劇場以外、もしくは1998年以前に観た映画の批評。あくまで記録用です。

アイスブレイカー ICEBREAKER 1999 ☆ アクション 
ショーン・アスティン、ブルース・キャンベル
テロリストに乗っとられたスキー場から人質を助けるために立ち上がるスキーヤーの映画。
一見、「クリフハンガー」のような展開だが、主人公が恐ろしくドジで、テロリストにつかまった恋人を助けようとスキー場のロッジに乗り込むのだが、これが全く無策で、あっさりと捕まってしまう。さらに序盤で主人公は飛行機の墜落現場の近くで核爆弾を発見するのに、それをその場に残して、引き返してしまったため、後から捜しに来たテロリストにあっさり発見されるというドジをやらかす。また、前半で登場するFBIもいきなり敵のロケット・ランチャーで全滅するという身も蓋もない展開。他にも自分の病気の道連れに核爆弾を使おうとしているテロリストの親玉に従っている部下の連中もなぜ従っているのかわからない。正直、主人公のへタレぶりが目立つ、情けない映画であった。
悪魔の棲む部屋 FEVER 1999 ☆ ホラー
ヘンリー・トーマス、テリー・ハッチャー、デビッド・オハラ
アパートの大家がある夜、惨殺されて以来、悪夢に悩まされる青年画家の映画。
前半だけで主人公が大家を殺した犯人なのは簡単にわかってしまうが、問題なのは主人公が2年間はアパートに普通に住んでいたのに、なぜ今になって大家を殺したのかという理由が最後まではっきりしない点。ナチス系の本による影響と夢遊病で片づけてしまうことも出来るが、幻想シーンと現実のシーンが曖昧なのも余計にストーリーをわかりづらくさせている。また、実母の死と今回の大家殺しはどう見ても結びつきそうには思えないのに、それらしいエピソードが終盤で描かれているのも無意味。結局のところ、最後までだらだらと青年の苦悩を描き続け、物語にもきっちりと決着をつけないいいかげんな映画。
アディクション THE ADDICTION 1994 ☆ ホラー
リリ・テイラー、クリストファー・ウォーケン、アナベラ・シオラ
夜道で謎の女に首を噛まれ吸血鬼にされてしまった女子大学院生の悲劇。白黒映画。
吸血鬼の本能の赴くままに友人だろうが教授だろうが、がんがん血を吸って吸血仲間を作っていく女性の凄まじい映画。顔からにじみ出るリリ・テイラーの演技ぶりは相変わらず恐いが、話自体はそれほどひねりもなく、救われる要素が微塵にもない映画なので、お勧めできない。
アフター・ザ・ストーム AFTER THE STORM 2000 ☆☆ サスペンス
ベンジャミン・ブラット、アーマンド・アサンテ
バハマの海で気ままに暮らすアーノは、豪華ヨットで資産家から仕事を受けるが、戻ってみると、ヨットは海中に沈んでいた。アーノは地元の娘コキーナと協力して、ボートの財宝を引き上げようとするのだが……
海中に沈んだヨットの財宝をめぐる四人の男女の思惑が絡み合うサスペンス映画。主人公が何とか財宝を独占しようと、表向きは協力するふりをしながら、裏で駆け引きをする姿で描かれ、ベンジャミン・ブラットにしては珍しい悪役タイプの役。最後には女性にも宝にも逃げられてしまうのに、主人公のさっぱりとした顔が印象的。ラストのオチを見ると、逃げた女性は宝が目当てというより、宝に惑わされるアーノの姿を見たくなかったんだろうなと感じさせる展開で、裏切っても、ずるさというのが感じられなくてよかった。
アメリカン・プレジデント THE AMERICAN PRESIDENT 1995 ☆ ラブ・コメディ
マイケル・ダグラス、アネット・ベニング、マーチン・シーン
アメリカ大統領が大統領選挙直前に環境問題のロビイスト、シドニーと恋に落ちてしまったために、スタッフを困らせ、政敵からはスキャンダルとして攻撃される羽目に陥ってしまう。
大統領が恋人を作ったらどうなるかという設定から始まったような映画。話自体が荒唐無稽で説得力がない。大統領選挙が直前なのに、自分のエゴを通してデートを続けるのも強引すぎるし、そんなに好きなら、大統領選への立候補をやめるとか、選挙が終わるまでデートを控えるぐらいできるだろうと思うが、いずれにしてもラブ・ロマンスにはほど遠いわがまま映画。
インシデント THE INCIDENT 2000 ☆☆☆ サスペンス
ブリタニー・マーフィー マイケル・ビーン ジェイ・モア
学園で起こった連続殺人に立ち向かう女子高生。
よくある学園スラッシャー映画。内容もどこかで見たことのある展開。しかし、主役のジョデイ役のブリタニー・マーフィーが非常にかわいい。これだけで見る価値あり。
インターン THE INTERN 2000 ☆☆☆ ラブ・コメディ
ドミニク・スウェイン、ペギー・リプトン、ジョーン・リバース、
ファッション業界の入った新米のインターンが数々のトラブルを解決して、恋と仕事で成功をつかむまでの映画。
主演のドミニク・スウェインの演技ぶりはまあまあ魅力あり。ストーリーは業界スパイものだが、「ジャニスのOL日記」のパクリを思わせる内容。ちょい役でグウィネス・パルトロウが出ている。
SF/ボディ・スナッチャー INVASION OF THE BODY SNATCHERS 1978 ☆ ホラー 
ドナルド・サザーランド、ブルック・アダムス、レナード・ニモイ
宇宙のある惑星から地球に流れてきた謎の植物が人間の体を乗っ取っていく映画。
「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」のリメイク。眠っている人間の養分を植物エイリアンが吸って、複製人間を造り出すあたりの特撮はよくできている。また、スナッチ系エイリアン映画としてはかなり絶望的なラストで、独特のBGMといい、恐怖を煽る演出は優れている。
 しかし、植物エイリアンの設定がやや不自然で、かなり御都合主義的な展開が目立って、イライラしてくる。そもそも、植物エイリアンの統一的思考では、人間の複雑な社会に適応することは出来ないし、第一、食事をするシーンが全くない。また、精神科医がエイリアンに乗っ取られているのに主人公に全く悟られないと言うのも、主人公が他の人の相違は気づくのに、友人の精神科医の異常だけ気づかないのはおかしい。さらにスナッチされた人間は普段は人間の言葉を喋れるのに、敵を見つけた時だけ、なぜ奇声を上げるのかとか、人面犬が意味もなく登場するとか、細かい部分で説明不足。
 ブルック・アダムスの目を回す芸は面白かった。
オール・アバウト・マイ・マザー TODO SOBRE MI MADRE 1999 ☆☆☆ 人間ドラマ 
セシリア・ロス、ペネロペ・クルス
17歳の息子エステバンを彼の誕生日に事故で失った母マヌエラは、彼の誕生すら知らない元夫に会いにバルセロナへ旅立つ。
事故で息子を失った母親マヌエラを中心に修道女でエイズとなった娘ロサの母、ヤク中の娘を持つ女優の母など多様な母親の姿を描いた作品。女優のサインをもらうためとはいえ、走り去る車を追いかけて別の車に息子がはねられる展開はちょっと理不尽。確かに最初で車にひかれそうになる伏線はあるが、衝動的に動いてしまうほど、その女優が好きなように息子は見えなかった。
 それと、マヌエラの元夫が薬でボロボロでオカマなのに、将来ある若い娘、しかも修道女を何で妊娠させてしまったのかというのはちょっと疑問。相手のロサにしても、本気で結婚できると考えていたわけではないのだから、避妊ぐらいはしてもよさそうなものだが。せめて、愛し合うようになった経緯ぐらい説明が欲しかった。
 そのほか、前半で臓器移植コーディネーターとしてマヌエラが死んだ息子の臓器を移植者に提供することに同意するところなど、臓器移植をもう少しテーマに持ってくるのかと思ったら、故郷へ戻ってからは結局、そういった伏線がいかされないのは何とも中途半端。
 全体としては、マヌエラが一体何をしたいのかが映画の中で見えてこず、テーマ性の乏しい映画になってしまった印象。
オペラ座の怪人 IL FANTASMA DELL'OPER 1998 ☆☆ ホラー 
アーシア・アルジェント、ジュリアン・サンズ
オペラ座の地下に済む男が愛する一人の歌姫をスターにするために次々と殺人を繰り広げる映画
ダリオ・アルジェント監督と言うことで、この作品では人の殺され方が他の「オペラ座の怪人」の比べると、残酷。相手の舌に噛みついて引きちぎるのは、むごい。ただ、全体的にコメディ・チックな演出も多く、恐怖感はあまりなかった。怪人はあまり武器を使わず、噛みつき攻撃ばかりなのも変わっている。
それにしてもオペラ座の怪人って顔が醜くて、そのためにマスクをつけ、地下に住んでいると思ったのだが、この作品での怪人役のジュリアン・サンズは醜いどころか美形でかっこよく、何も地下に隠れ住まずとも、普通に表に出て暮らしてもいいのではないかと思ってしまう。また、最後はクリスティーヌを警官から逃がすためにラウル男爵に彼女を託し、自分が犠牲になるのだが、よく考えると、クリスティーヌは別に逃げる必要はないんじゃないかとも思ってしまう。