劇場以外、もしくは1998年以前に観た映画の批評。あくまで記録用です。

ハード・キャンディ JAWBREAKER 1998 ☆☆☆ コメディ
ローズ・マッゴーワン、レベッカ・ゲイハート、ジュリー・ベンツ、ジュディ・グリア
レーガン高校の女王様4人組のうち、一番人気のリズの他の三人の仲間の悪戯で死んでしまった。三人はリズの死を学校一ださい女の子ファーンに知られてしまったため、口封じのため、無理矢理、仲間に引き込む。
レベッカ・ゲイハートが珍しく正義感の強い善人側の主人公を演じている。映画自体は学園コメディの領域を出ないが、裏切ったり、仲良くしたりと、女同士の内なる戦いぶりが描かれていて、なかなか楽しめる。
8月の誘惑 AUGUST 1995 ☆☆☆ 人間ドラマ
アンソニー・ホプキンス、ケイト・バートン
1896年8月、イギリスの田舎で農園を管理にしているヤーヤンのところに亡くなった妹の夫で引退した教授と後妻のヘレンがやってきた。働き者だったヤーヤンだったが、美しいヘレンが気になって、仕事そっちのけで彼女に求愛する。
既に妹は亡くなっているのに、図々しく仕送りを受け続け、おまけに美しい後妻もいるとなれば、ヤーヤンが教授を妬むのもわかるというもの。確かにヤーヤンは、かわいそう。
 それにしても、教授はなぜそこまでヤーヤン一家に頼っているのか。彼に家族はいないのか。また、そこまでしてヤーヤン一家が教授を助ける義理がどこにあるのか。その辺の説明が全然ないのが残念。さらに実の娘なのに教授は娘に全く無関心で、将来のこととかまるで考えてあげてないのもどうかと思った。
 最後は絶望というか、悲壮感だけが残る切ないドラマであった。
バレンタイン VALENTINE 2001 ☆ ホラー
マーリー・シェルトン、デビッド・ボレナーズ、デニース・リチャーズ
13年前のパーティーでからかって施設送りにした少年が復讐鬼となって、エンジェルの仮面をつけ、五人の女性を狙う。
「13日の金曜日」系のスラッシャー映画だが、過去、類を見ないひどいシナリオの映画。とにかく最後の最後まで主人公たちが狙われていうのに犯人を調べようとか、事件について調べようとかいった行動がなく、いなくなった人間にもほとんど関心をもたないため、ドラマが進展しない。おまけに犯人も復讐相手だけを殺せばいいのに、中盤は関係のない人間を無意味に殺しているし、ラストに至ってはなぜケイトだけは殺さないのか、なぜ13年後の今になって殺しを始めたのかとか、どうやって経歴をごまかしていたのか、本当の殺人の目的が何なのか、まるではっきりしない。殺しの演出もありきたりで、スピーディーさもなく、恐怖演出も初歩的なもの。ただ女優陣はマーリー・シェルトンあたりはかわいいし、その他の女優も豪華な方。ちなみにエンジェルの仮面をつけた犯人と「バフィー」のエンジェルをかけあわせたいがためにデビッド・ボレナーズを起用したのだとしたら、冗談でもふざけるなと言いたい。
秘密の花園 THE SECRET GARDEN 1999 ☆☆☆ 文学 
ケイト・メイバリー、ヘイドン・プラウス、アンドリュー・ノット
事故で両親を失い叔父のクレイブン伯爵の屋敷に預けられた少女メアリーは、偶然屋敷で鍵を見つけ、その鍵で封印された「秘密の花園」に入る。
心を閉ざした少女が、屋敷の人々とうち解けて、心を開き、今度は自らが心を閉ざしている伯爵の子供で病弱なコリンを立ち直らせようとするところなど、児童文学的で、やや話が性急的なところもあるが、感動できる。特に子供たちだけの空間だった秘密の花園に、コリンが伯爵を招き入れてしまった時に泣いてしまうメアリーの微妙な心理の描き方は最高。メアリー役のケイト・メイバリーの演技はなかなか。
ファンタズムW PHANTASM IV 1998 ☆ ホラー 
マイケル・ボールドウィン、アンガス・スクリム、ビリー・ソーンベリー
トールマンに異空間に閉じこめられたマイクが再びトール・マンと戦う映画。
 第一作から20年たっても同じ出演者が集められるというのはある意味すごいかも。第一作の映像が要所で挟み込まれ、総集編のような感じもする。トールマンの正体が明らかになるが、ストーリーとしてはこの作品だけ観ても何が何だかさっぱりわからないと思う。主人公とトールマンが異空間の中で過去の経緯をさかのぼりながらの禅問答に終始し、ストーリー展開はないに等しい。
深く静かに潜航せよ RUN SILENY, RUN DEEP 1958 ☆ 戦争 
クラーク・ゲーブル、バート・ランカスター
第二次大戦下、一年前に艦を沈められた日本の敵艦アキカゼに復讐を誓うリチャードソン艦長が再び潜水艦に乗り込み、豊後水道に向かう。
 潜水艦の細かい描写や敵をおびき寄せて、迎撃する戦術的な部分はこの時代にしては優れていて、復讐に燃える艦長と部下思いの副艦長との対立など、そこそこよく出来てはいるのだが、いかんせん、戦闘シーンが効果音的な部分でも特撮的な部分でも全く迫力がない。というより、陳腐な印象を受ける。また、仲間を犠牲にしても勝利をつかむ軍人の愛国主義的な思想は、個人的には好きになれない。90分の映画だが、テンポが悪いのでかなり退屈な印象を受けた。
ブラック・ソルジャー BRIDGE OF DRAGONS 1999 ☆ アクション 
ドルフ・ラングレン、ケリー・ヒロユキ・タガワ
近未来、ルーチェン将軍に結婚を迫られ、逃げたヘイロ王女を救う兵士の映画。
 中世のRPG的なストーリーを近代軍隊に置きかえた印象。爆破の回数や銃撃戦、舞台セットなどを見ると、そこそこ金のかかっている映画にも見えるのだが、いかんせん、撮影スタッフの未熟ぶりが目立つ。特に刃物で切られた時の演出、銃で撃たれているのに銃で受けた傷跡が全くないのがはっきりわかるところなどは気になるし、爆発で吹っ飛ぶ人や銃で撃たれ、倒れる人の演技が下手すぎる。
 まあ、ドルフ・ラングレン映画に期待するのも間違いか。ただ、ヘイロ王女役レイチェル・シェーンは均整のとれた顔立ちでなかなか美しかった。
ヘルハウス THE LEGEND OF HELLHOUSE 1973 ☆☆☆☆ ホラー
パメラ・フランクリン、ロディマクドウォール
幽霊の調査のため、ベラスコ邸に派遣された物理学者夫妻、霊媒師ら4人。彼らはその屋敷が数々の心霊現象を体験しながら、その謎に挑む。
 よくある恐怖映画と違い、理不尽に人が死んだり、幽霊に対して全く無力という感じではなく、幽霊を信じず幽霊をエネルギー体と考えて、その存在を探ろうという学者と、存在する霊の言葉を聞いて問題に対処しようとする霊媒師と二つのアプローチで物語が進んでいくのが面白い。恐怖演出は70年代の映画としてはそれほど悪くはない。きちんと謎解き要素がある点では、恐怖映画と言うよりサスペンス映画に近いかも知れない。
 最後でこれまで傍観者だった物質霊媒師のベン・フィッシャーが礼拝堂で幽霊の正体を暴くところは、なかなかかっこよかった。寺沢武一の漫画「コブラ」でのサラマンダーのラスト・シーンはこの作品のラスト・シーンを拝借したものなのだなと思った。
 役者としては女霊媒師役のパメラ・フランクリンが普段は気丈なのに霊に乗り移られて急に色っぽくなるところなど、かわいかった。
ボクサー THE BOXER 1997 ☆☆☆☆ 人間ドラマ
ダニエル=デイ・ルイス、エミリー・ワトソン
プロのボクサーとして有望視されながら、IRAの爆弾テロ犯として14年間投獄されたダニーが出所。彼は故郷へ戻り、失った時を取り返そうとボクシングの練習を開始する。
 ある種、「アメリカン・ヒストリーX」の先駆けとなる作品。ボクシングと恋人との時間を失ったことへの怒りから、周囲から反感を買ってでも己の意志を貫く主人公ダニーをダニエル=デイ・ルイスが男気たっぷりに好演。数々のボクシング・シーンも決してメインのシーンではないが、見せ方が上手く、迫力と緊張感がある。ダニーが出所後、すっかりアル中になっていたトレーナーのアイクを誘って、再びボクシング・ジムを再建するところなど、「あしたのジョー」を観ているような感じ。最後の最後までダニーの男の意地が伝わってくる映画で感動させられた。